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設備的映画鑑賞
★は設備度を表します。★の数が多いほどハイ設備な映画ということです。

モンスターズ・インク
Monsters, Inc. 2001年(米)

究極のクリーンエネルギー★★★★
子供の留守番って、何歳頃から可能なものでしょうか。
風邪引きなのに買い物に連れ出すのもいやだしと、留守番をさせました。 普段は「一人で家にいるとおばけが出るよ?」と脅して一緒に連れて行くので、 「おばけがでるからいっしょにいく」と言われたのですが、 おばけは元気な子供をびっくりさせるのが仕事だから、風邪引きさんのところ には来ないよ、と言ったら 納得したらしく。 でも、たかだか20分、家に帰るまでものすごく不安でした。

そんな経緯があって思い出したモンスターズ・インク。 これはお留守番の話ではなくて、夜の話なのですけれど息子に大受けでした。 お話自体が面白いのはもちろん、サリーとマイクが働く工場の様子も、 機械好き息子には 嬉しかったようです。そして、機械室とその配管、みたい シーンもやっぱりあるので私も ちょっと嬉しい訳です。

さて、そのお話ですが。
以前見た時に比べて2012年の今、身につまされるものがかなりありました。 エネルギー問題、そしてそのエネルギーを一手に握っている会社の問題、 どこかの国で起こっていることそのままじゃないですか、これ。 この映画みたいに、悪いやつはやっつけて、希望の持てる、 子供もモンスターもみんなが笑顔になれる、 そんな未来を作りたいのになあと 思うんですよ。みんなそう願っているはずだから、こうしたお話の筋書きって 普遍的な訳なのに、 いつまで経っても現実の社会が変わらないのはなぜだ。
(2012.3月up)

(番外)ユニバーサル・スタジオ・ジャパン編
映画ではなく、アトラクションの設備度レビュー。(2006.10月up)
ネタバレ有ですので、これから行かれる方はご注意を。
アメージング・アドベンチャー・オブ・
スパイダーマン・ザ・ライド

設備ファン垂涎★★★★★
3D映像とライドの組み合わせ式アトラクション。 ライドがかなり強烈に動くので、振られて体のあちこちをぶつけて痛くなりました。 けれどなにより、ひどい3D酔いに参りました・・・よくできているということでしょう。 そんな3D映像は、後半になると配管だらけ。 貯水漕らしきところにも突っ込んで水飛沫がかかります。

≪本編≫エアロスミスのカバーした主題歌も気になって見てみましたが、 ほんとに楽しい娯楽映画。こんなに設備設備したシーンはなかったはず。
バックドラフト
火の用心★★★★
あの400φ位あるダクトはいつ燃えるのかしら、 こんなにどかんどかん爆発してたらFD着いてても役に立たないだろうなー、 なんて期待を裏切らない迫力のアトラクション。配管はラックごと落下しますし。 それより何より、あれだけ火炎の上がる部屋の、空調、換気、そして消火は、 いったいどうなっているのか。それがとても気になります。 ・・・相当面倒なことがいろいろあったのではないかと。

≪本編≫このアトラクションの前説はスコット・グレン。 なんてクールな人でしょう、と、帰ってからすぐ映画を見ました…そりゃないよ(嘆。 シャワーの後の一瞬の表情とか、鬼気迫る感じでいいんですけどね。 私の脳内バックドラフトとは全く話の筋が違ってましたorz。

未来世紀ブラジル
Brazil 
1985年(英)

スパイラルダクト天国★★★★★
夢も希望もありませんが、べつだん不満もありません。 ルーチンな日常を過ごす公務員の彼を暴走させたのは夢の女。 夜の夢に昼の夢想に繰り返し現れる美女を現実に目にして、 魂の解放を得る(と私は思いたい)終幕までひたすら突っ走る。

無関心、思考停止に、強烈な閉塞感、はたまた美容整形、現代社会のこの 強烈な戯画は、既に20年前の作品です。気持に余裕のない時はあまり 見たくないと思っていたけれど、カタルシスを求めるのもいいかもしれない。 『ブラジル』、あんなに楽しい曲なのに。

さて設備映画としてのブラジルはとにかくてんこ盛りで、物語にも絡みます。 「お宅のダクトは流行遅れではありませんか?セントラルサービスから新発売。 数百種のカラフルなダクト。(中略)美しいデザイナー・ダクトをどうぞ。」 というテレビCMから始まり、建物室内は住宅にもレストランにも、大口径の フレキやスパイラルが天井下を走っていて、それを除けばどこにでもありそうな 風景を特別に見せる、という美術として重要な役割を果たしています。

また、主人公の住む集合住宅らしき部屋の壁は、フリーアクセス壁(!)で、 壁一面点検口状態。モグリの活動をする設備メンテナンス技術者(ロバート・ デニーロがいい味だしてます)が、そんな点検口の一つを開けば、みっちりと 押し込まれたフレキ配管が飛び出して来ます。ちなみに汚水もフレキ(驚。 ここにさらに、巨大な冷却塔が出てきますが、どこで出て来るかはぜひ映画で。
圧巻です。(2005.11月up)

タワーリング・インフェルノ
The Towering Inferno 1974年(米)

のっけから機械室★★★★★
消防検査どうやって通ったんです(驚)、という欠陥だらけの超高層ビル。 防火ダンパの無いダクト、動かないスプリンクラー、作動しない自火報、 開かない防火扉、そもそも防火扉自体が無い廊下、 そんな建物の竣工パーティで起きた火災を描いたパニック映画です。

火災の原因は配線のショートなのですが、その電気配線がコスト削減のため、 設計で指定した安全性の高い材料を無視して、法規はクリアしてますレベルの、 低い品質の材料で施工されていたこと故に起こったショートなのです。 時間やお金をかければかけるほどいい建物ができる、ということでないにせよ、 今も昔も、削られるところは設備かと思うといやになりますな。 「コストをかけたくないなら階数を減らせ!」 設計者ポール・ニューマンが施主にむかって言った台詞に激しく首肯。

外国の設計は、建築だ設備だ、という分業制ではないと聞いたことがありますが、 にしても、設計者がエレベーターの回路いじったり、というのはあまりに 万能すぎやしないかしらん・・・ま、映画ですからいいんでしょうね。 しかしスティーブ・マックィーンかっこいいな。(2004.11月up)

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